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第2回控訴審(2006年12月21日配信)
昨日東京高等裁判所において第二回控訴審が行なわれました。大友元社長の証人尋問が行なわれ、次の点について証言が行なわれました。
1.意図的に株価操縦を行なっていたという認識は、当時も今もない。遅くとも平成13年夏に、株価操縦を被告人に告白して、被告人がこれを黙認していたということは事実に反する。
2.リヒテンシュタインと匿名組合を使ったキャッツ株の買い戻しスキームは平成14年2月15日に開發並びに高木弁護士を入れた会議で決定された。この日並びにその前後の株の会議に被告人が出席していたという事は、手帳の記載からして、事実ではない。
3.7月16日に開發を三役会に呼んでM&Aによる預け金スキームを決定した。7月18日の顧問会では、モルガン銀行からの融資話を被告人並びに本多弁護士と賭けとしていたので、賭け金1万円づつを両人に支払った。従って、顧問会に開發は来ていない。
4.役員会は25坪の社長室で行なわれ、顧問会は4階の8畳ほどの会議室で行われていた。顧問会が社長室で行なわれる事はない。(従って、開發が7月中旬に顧問会に来たと証言しているのは、7月16日の役員会の間違いである。)
5.11月7日の夢現の会議で、ファー スト・マイルの買収を提案したが、被告人はその提案に否定的であった。このときかどうかは確かではないが、償却が大変だぞという話があった。この日は、第 三者のDDと株価算定をとる事が決まり、買収はその結果を見てからということになった。株価算定を60億円にしてくれと頼んだことはない。DDと株価算定 はプロの公認会計士が正当な業務を行った結果であると思う。
5.1千万円は平成14年4月上旬に、被告人の日夜を問わぬ献身的な助力に報いるために差し上げたもので、その時期から明らかなように、飾決算の謝礼金ではない。この時期は現金の帯封上の銀行統一番号により判明した日銀からの出金日の記録と整合する。
6.一審の証言は、証言内容をノートに記載させられ、検事の手直しを受けた上で丸暗記させられたもので話した。40回のリハーサルをやらされた。7回の証言のあとは毎回検事の部屋で反省会をやらされ、証言の不十分な部分は次回修正させられた。
7.逮捕・勾留・実刑への不安から事実と違う調書や証言を行なわざるを得なかったが、これをこのまま見過ごす事は人間としてあってはならないと思い、本日再び証言台に立つこととした。
以上、予想 以上に証言の進行が早く、裁判長の判断でそのまま検察側反対尋問が行なわれました。反対尋問では、当然の事ながら一審での証言と正反対の証言の理由を糾弾 されていましたが、上記事実部分の証言は揺るがず、一審ではそのように証言するしかない状況にあったと切言しました。続いて裁判官の追加質問があり、大友 証人尋問はこの日で全て修了することになりました。
検察官の主張する2月15日、7月18日及び11月7日 の共謀は、いずれも被告人のアリバイを肯定するか、あるいは共謀そのものが否定されるという一審とは正反対の証言でした。これらの証言は今回提出された新 証拠に基づいて記憶が喚起されたものであるとの事でした。また、唯一の物証である現金の日銀番号が判明し、粉飾決算とされる時期には無関係である事が証明 されました。また、検察官は会計論を争わないことを新聞記者の取材で答えています。
なお、本日の東京新聞の朝刊社会面に上記の控訴審がニュースとして掲載されています。「会計士の関与を元社長一転否定—キャッツ粉飾控訴審」という記事です。
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