控訴審の初回公判が11月20日午前10時半より、東京高等裁判所805法廷にて開廷されます。管轄は高裁第9刑事部原田國男裁判長です。
初回公判の唯一最大の争点は証拠調べの再開を行なうかどうかにあります。現行裁判制度では、事実審理は一審で終了している事になっていますので、原則として控訴審では証拠調べは行いません。このため被告人も裁判に出廷する必要さえありません。(出てもいい。)控訴審は、一審で認定された事実に基づき、その解釈と法の適用が争われることになっています。ただし、一審の事実認定を疑わせるような新証拠、新証言が出て、裁判所が相当と認めた場合には、高等裁判所は、再度証人を呼んで証拠調べを再開することができます。
本件では新たな客観証拠と有力な新証言、寝返り証言が多数提出される事から、控訴審での証拠調べ再開の可能性が高いと言われています。初回公判では、弁護側は証拠調べの再開を申請し、これに対して検察側は「その必要なし。事実審理は一審で尽きている。」として証拠調べ請求の却下を申し立てます。これに対して弁護側は既に提出した新証拠、新証言を理由として裁判所の判断を求め、これに対しては検察側はすべての証拠を不同意とすることが一般的です。裁判所はその場で証拠調べを再開して、証人調べを行なうかどうかを判断します。以上1時間程度で初回公判は終了する見通しです。一人でも多くの方が傍聴に来ていただけますようお願いします。特に、マスコミ関係の方には傍聴をお願いします。本件では一審の事実認定を否定する多くの新証言、寝返り証言が出ているのですが、これも事実審理は一審で尽きているとして、証拠調べ再開がなければ何の効果ありません。日本の司法制度では新証拠が出ても証拠調べ再開を行なわない危険性が充分にあり、それを防止するのは裁判が公開されているという抑止力だけです。多くの方に裁判に傍聴に来ていただく事が、証拠調べ再開の大きな力になるのです。よろしくお願いします。
2006年9月30日土曜日
民事判決言渡し(2006年9月30日配信)
平成15年5月以降2年半にわたり延々と争われてきたキャッツの民事裁判が結審し、判決が10月27日午後1時10分より東京地方裁判所において言い渡されます。この民事裁判は、キャッツの営業職の幹部社員が自社株購入により損害を受けたとして、大友元社長、村上元専務、西内元常務、関口元取締役のキャッツ元役員4名と、開發氏、細野公認会計士並びに新日本監査法人及びあずさ監査法人を訴えていたものです。当初は、キャッツの営業職幹部社員8名より訴えが起こされたのですが、この2年半の間に、原告が次々と訴えを取り下げ、最終的に訴訟を継続しているのは長岡力丸氏ただひとりとなりました。訴額もこれに応じて順次減少し、最終的には5825万円となっています。請求順位は、第1順位が大友、村上、西内の3被告、第2順位が関口被告、そして第3順位が細野、開發、新日本監査法人及びあずさ監査法人の4被告です。判決は被告側有利の見通しであり、請求順位の逆の順位で勝訴となる可能性が高く、また全被告の全面勝訴となるのではないかと言われています。判決が出次第ご連絡しますが、特にマスコミ関係の方にはご取材いただきますようお願いします。
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